カラコル遺跡のカアナ神殿
カアナ神殿は、ティカルやカラクムルの神殿ともよく似ています。都市国家間の文化交流による影響以上に、両者に対してのあこがれがあったのかもしれません。6世紀から8世紀にかけては、マヤ世界における政治的な力の再編や都市国家間の争いが激化した時期とされています。特に強力な都市国家のティカルとカラクムルとの激しい覇権争いが続く中、カラコルは両者との政治的なバランスを保ちながら、その関係を巧みに操りながら、自身の領土を拡大し、影響力を増大させました。ベリーズ最大規模を誇るカアナ神殿は、強大国同士の対立に乗じて手にした一時的な権力の象徴的な証なのもかしれません。