巨大地下回廊セラペウムとは
サッカラのセラペウムは、1851年にフランスの考古学者オーギュスト・マリエット(Auguste Mariette)によって発見されました。この遺跡はサッカラのピラミッド複合体から少し外れた場所に位置しており(ジェセル王の階段ピラミッドの北西約2km)、広大な地下回廊で構成されています。セラペウムは、古代エジプトで崇拝された聖牛アピスの埋葬場所とされていますが、実態は不明です。坑内には約30個の巨大な石棺があり、それらは驚くほど巨大なサイズ(長さ約4m、高さ約3m強)で、固い花崗岩で精巧に作られています(棺の内角はすべて正確に90度に仕上げ)。棺の蓋だけでも約30トンの重さがあり、完全に密封されています。このような造りの完成度の高さから、セラペウムの石棺は単なる牛の棺ではなく、別の目的のために作られた可能性が高いと考えられています。