バールベック遺跡
バールベックは、レバノン東部のベッカー高原にある古代ローマ遺跡です。ローマ帝国時代にバールベック(ヘリオポリス)で宗教儀式や祭典が行われた場所とされ、遺跡は、ジュピター神殿、バッカス神殿、ヴィーナス神殿の3つの神殿から構成されています。ジュピター神殿(Temple of Jupiter)は、紀元前1世紀から紀元1世紀にかけて、ローマ皇帝アントニウス・ピウスによって建設されたとされています。バッカス神殿(Temple of Bacchus)は、紀元2世紀に、建設者は不明ですが、セプティミウス・セウェルス皇帝やカラカラ皇帝などに帰属するとされています。ヴィーナス神殿(Temple of Venus)は、バッカス神殿と同じく紀元2世紀に建設されたと考えられていますが、正確なことは不明です。なお、バッカス神殿は、バールベック遺跡内で最も保存状態が良く、美しい彫刻が今も残っています。