カッパドキアと地下都市
カッパドキアは、長い年月をかけて火山灰が堆積した台地で、風化によってできた奇岩が広がる驚くべき風景の町です。この奇妙な光景は地上だけでなく、地下にも広がっています。それが地下空間、つまり地下都市です。1963年、住民たちによって偶然発見され、その後本格的な調査が行われ、次々と新たな発見があり、現在も発掘調査が続いています。特に有名なのが「カイマクール」と「デリンクユ」です。地下都市には何本もの見事な換気シャフトがあり、耐荷重構造で何層にもなっており、人々が長期間にわたって住むことができるように工夫された素晴らしい構造です。歴史学者によれば、ヒッタイト人が紀元前15世紀~12世紀にこの地下空間を建造したとする説が有力で、その後、紀元前6世紀にはゾロアスター教徒が、7世紀以降にはビザンツ帝国のキリスト教徒がイスラム勢力による迫害を逃れて利用していたと考えられています。未発見の地下都市を含めると総勢10万人とも20万人とも推測される収容人数を可能とする、巨大地下都市網の全容解明が期待されます。